その対応、間違ってない?子供が吃音になったら気をつけたいこと【実録】
子供が急にどもり始めたんだけど、どうしよう?
ちゃんと話して欲しいんだけど、治るの?
子供が突然吃音(どもる)になると、親としてはビックリするだろう。
僕自身、ずっと吃音があって、親が全く理解していなかったこともあり精神的に辛い時期を過ごしたことがある。
今回は、そんな幼少期にされて辛かった経験を元に、吃音が現れた子供に対して親が取って欲しい行動を書いていこうと思う。
- 子供がどもり始めたんだけど、どうしたらいいの?
- どんな風に子供に接したらいいのかわらからない
子供が吃音でもいいと思える場所を作ってあげる
親にやって欲しいことは、子供が吃音でも受け入れられる場所を作ることだ。
僕の家にはもうその場所はない。だから、もう治ったように見せかけてずっと隠して生きている。
これは、親が死ぬまでやり通さなければならない。
もう慣れてしまったが、どうしても親に対して遠慮が生まれてしまう。
吃音であること=ハンデと捉えてしまわないか不安になるからだ。
親だからこそ心配をかけたくない。
そう思うのは、子供にとって当たり前の感情だ。
だからこそ、子供が吃音でもいい場所を作って欲しいのだ。
家族の前でくらい、子供が素の自分を出せるような環境でなくてどうする。
吃音で辛かったらいつでも帰ってこられる場所が必要なのだ。
吃音を苦に自殺するような痛ましい事件も起こっている。
そうならないためにも、家族の理解が必要だ。
子供が吃音になったら
子供に吃音の症状が出始めたら、まず最初に考えて欲しいのが、
子供は吃音を発症しやすい
そもそもだが、子供は吃音を発症しやすい。
吃音には2種類あって、
- 発達性吃音
- 獲得制吃音
に分類されている。その中でも、全体の吃音のおおよそ9割を占めているのが「発達性吃音」だ。
発達性吃音は幼児期(2~5歳)の時に発症する場合がほとんどで、発症率はおおよそ8%前後となっている。
しかし発症しても7~8割は治るため、残りの2~3割はそのままとなる。そのため、全人口のおおよそ0.8%ほどが最終的に吃音を持ったまま大人になる。僕もそのひとり。
詳しいことは、国立障害者リハビリテーションセンター研究所を参照されたし。
割と治る症状ではあるのだが、吃音を全く知らないと驚くのがほとんどだ。
幼少期に発症して勝手に治るものだから、親自身、経験していても覚えていない場合がほとんどなので、どう接していいのか悩むところだ。
大人になっても続いたらどうしよう?
親がそう考えるのは、当たり前だろう。
親にとって子供は宝なのだから。
吃音の子供に対してして欲しいこと
では、ここからは実際に吃音になった子供に対してやって欲しいことを解説していく。
この項目に書いていることは、僕が実際に経験して辛かったことや止めて欲しかったこと――つまり、実体験に基づいている。
そのため、少し生々しくなるかもしれないが、そこはご了承願いたい。
言葉を急かさない
まず第一に、言葉を急かさないで欲しい。
吃音は、言葉を言いたくても言えない状態だ。
自分ではすぐに発言したいのに、言葉が出ない。
それは、喉に突っかかるというより、口の先から出ないような状態だ。吐きそうで吐けない感覚とちょっとだけ似ている。
そんな状態で、「何!?」とか「早く言って!」なんて言われたら、余計に何も言えなくなる。
自分はちゃんと伝えたいのに、相手に伝えられないのだ。
そんなことが続くと、子供は心を閉ざす。どうせ言っても伝わらないと考えて、口を閉ざして何も望まなくなる。
忙しいを理由にして子供を振り回す前に、子供の前では落ち着いている親であることが重要だ。
出鼻をくじかない
先ほどと似たような内容になるのだが、どもる=緊張していると考える人が一定数いる。
そういった人たちに共通するのが、「落ち着いて話しなさい」「ゆっくり話してごらん」という言葉だ。
本人は優しく語りかけているのだろうが、逆効果だ。
何しろ、吃音が出ている子供は落ち着いているし、ゆっくり話してもいるからだ。
だというのに、「落ち着いて話せ」だの「ゆっくり話せ」だの言われても困る。
そんなことを言われ続けると、子供はやがて「ああ、この人は自分を理解してくれないんだな」と理解する。
そうして、自分の吃音を隠したり、あまり口を開かなくなる。
第一、子供が親に対して緊張して話せないとはどんな場面なのかを考えてみて欲しい。
吃音の症状が出た子供は、何かを伝えたくて必死だ。
そんな時は、子供の言葉の出鼻をくじかず、ゆっくり待っていて欲しい。
僕は何度も「落ち着いて話せ」「ゆっくり話せ」と言われて、とても悲しい思いをした。
どうか子供にはそんな思いをさせないでくれ。
言葉を先に言わない
これも良くあることなのだが、子供がどもった言葉を親が先に言うことだ。
親や第三者からすれば親切心なのだが、子供にとってみれば「小さな親切大きなお世話」なのだ。
自分の言葉で伝えたかったのに、何故言ってしまうのか。
相手に何かを伝えられる素晴らしさを学ぶ機会を奪っているに等しい。
もし言葉を使うなら、
「ぶ、ぶぉ、ぶぉ、ぶぉーる」「ボール?」
みたいな感じで、補足するように言うといい。
これも当事者としては十分キツいが、理解してくれようとしている気持ちは伝わってくる。
子供が言葉で相手に伝える機会を奪わずに、フォローするような形を取ってみて欲しい。
子供だって、自分が言葉をちゃんと話せないのをわかっている。
その上で喋っているのだから、フォローするのが大人の務めだ。
吃音の子供は喋るのが怖くなる
子供だろうと大人だろうと、無知は残酷だ。
満足に喋れない。
それだけで、理解できない存在として扱われ、からかわれたりいじられたりする。
精神的なストレスが日々かかり始めると、やがて吃音が出ないように工夫を始める。
どもる言葉を咄嗟に言い換えたり、「んー」「えっと」など言葉を前置きしたり、間を作ったり――人によって方法は様々だ。
その中で、喋るのが怖くなる子供もいる。
他人が簡単にできているものを自分ができない。
それは激しい自己嫌悪となって自分を襲う。ひょっとしたら不登校になるかもしれない。
人と接するのに恐怖を覚えるのだ。
僕の場合、一時期そうなりかけた。
そうならなかったのは友人が気にしてなかったからに他ならないが、どんな場所に行っても無知無理解ゆえの攻撃はある。
対して面白くも無い素人のいじりで、喋るのが怖くなるのだ。
子供にとって親と学校が世界の全てだ。
だからこそ、そのどれかに拒絶されると喋るのが怖くなり、自分の殻に閉じこもってしまうのだ。
まとめ:子供の吃音は、親の対応が一番大切
吃音は、幼少期に発症する確率が非常に高いため、親の対応が一番大切だ。
おおよそ7~8割は吃音が治るとはいえ、残りの2~3割はそのままとなる。
大人も加えれば、全人口の約1割――100人に1人が吃音を持っている。
自覚している人もいれば、無自覚な人もいる。
そんな中で、吃音の子供を受け入れる場所として、親がいる。
・子供がどもったら、言葉をじっと待つ
・子供が吃音でもいい場所を作ってあげる
世の中には吃音矯正教室なんてのもあるが、高いお金を取られるだけの場所も存在する。
詐欺に騙されないように、しっかりと知識を持って対応しよう。
なお、吃音に対してまとめた他の記事は以下になる。大人で吃音のある人にも参考になると思う。
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