まだ使ってないの?プラチナのノック式万年筆:キュリダス【レビュー】

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ノック式の万年筆といえばキャップレス

そんな時代が長らく続いていたが、その牙城を崩すべくプラチナ万年筆から満を持してノック式の万年筆が発売された。

それが、キュリダス。

発売日に飛びついてから一年以上使い倒してみたので、今回キャップレスとの比較も含めてレビューしていきたいと思う。

こんな人の参考になるよ!

  • キャップレスと何が違うの?
  • キュリダスの使い心地ってどう?
  • 万年筆のノック式って実際使いやすいの?

そんな疑問を持っている人は、ぜひ参考にして欲しい。

あさき

あさきです。Xnoteカクヨムで作品を連載中。Kindleでお仕事ラノベも出版しています。お問い合わせはこちら

目次

プラチナ万年筆:キュリダス(極細)レビュー

僕が買ったのは、オーソドックスなプリズムクリスタル。透明なボディなので、内部構造もばっちり見えるので楽しいだろうと思って選んだ。

ペン先は極細のEF。仕事柄、細かい文字を書くことが多かったので、一番細い字幅を選んだ。

現在は黒インクを使っているが、結果的にこの字幅は失敗だった。

ノックしてすぐに書ける便利さ

キュリダスの一番の売りは、ノックすればすぐに書けるところだ。

通常の万年筆だと、どうしてもキャップを外して書かなければいけないため、すぐにアウトプットができない。

キャップレス然り、キュリダスはその煩わしさを解消してくれる。ノックすればすぐに書けるというアドバンテージは、一度味わうと抜け出せないほどの快楽がある。

世の中、ノック式のボールペンで溢れている理由が良くわかる。

また、キュリダスはプラチナ万年筆の技術が詰め込まれているので、スリップシール方式ももちろん採用。

ノック式だというのにインクが乾きにくいという、万年筆では実現不可能に思えることを平然と実現している。恐ろしい。

10ヶ月使っていなかったとしてもインク残存率は40%なので、いかに機密性が保たれているかがわかる。

書き味はプラチナらしいカリカリ

キュリダスは鉄ペンだ。ペン先がステンレスなので“しなり”はないが、その分気にせずガシガシ書ける。

ノックして使うのを想定しているから、鉄ペンの方がむしろありがたい。

プラチナ万年筆は、書き味がカリカリとなるようにわざと調整している。それはキュリダスでも顕在で、「字を書いている」と思える書き味に仕上がっている。

ヘビー使いする人ほど、書く楽しみを味わえる仕上がりだ。

インク残量がわかる

透明軸なので、外からでもインク残量がわかる

僕が持っているのは黒色だから少しわかりにくいが、赤など発色の良いインクだとよりわかりやすいだろう。

同じノック式のキャップレスだと、インク残量を確認するには一度軸を外さないといけないので、外からインク残量が見えるのは便利だ。

ノック式の万年筆は、外出時でも手軽に使えるので、インク残量を手軽に確認できるのは地味にありがたい。活用しよう。

クリップは着脱式

画像引用:楽天商品ページ

キュリダスのクリップは、専用のツールを使って着脱が可能だ。

ただ、クリップを取り外す機会が思い浮かばないので、使う時はないと思う。

クリップがあることでペン先の向きが把握できるし、机の上に置いた時に転がり防止としても使える。外すメリットがぶっちゃけ無い。そのままでOKだ。

ずっと使っているが、クリップはあった方が便利なので外したことは一度も無い。それに、外したら紛失するからね。

字幅は三種類

画像引用:楽天商品ページ

キュリダスには、字幅が3種類ラインアップされている。

  • EF(極細)0.28mm
  • F(細字)0.38mm
  • M(中字)0.5mm

EFを使っての実感だが、EFはあまりオススメしない。できればF~Mがいいだろう。EFだとどうにも細すぎるので、本当に細かい字を書きたい場合以外はあまり使い道がない。カーボンブラックが詰まってインクが出なくなるケースもある。

そのため普段使いするなら、FやMなどどんな場面でも使える字幅にしよう。

店頭で試筆したが、Mでも十分細いので手帳にも使っていける印象を受けた。

カラバリは5種類

プラチナ キュリダス
画像引用:楽天商品ページ

キュリダスのカラーは5種類あり、

  • プリズムクリスタル
  • アビスブルー
  • グランレッド
  • グラファイトスモーク
  • アーバングリーン

以上のラインアップとなっている。

使って見ての印象だが、インク残量を確認するならプリズムクリスタル一択になる。それ以外はボディカラーでインクが見えない。

また、キュリダスは中の機構もガシャガシャして楽しいので、できるだけ中身を見るならプリズムクリスタル。

総合的にはプリズムクリスタルで、好きな色があるなら他のボディカラーを選べばいいだろう。

キュリダスのここがいまいち

ここからはキュリダスを1年以上使ってみてわかった、イマイチな点を書いていこうと思う。購入の際の参考にして欲しい。

ちゃっちい

予算的な部分もあるのだろうが、キュリダスの見た目は実にちゃっちい。

シャーペンだとクルトガ。

ボールペンだと100円のジェットストリーム。

スケルトンなボディや中の機構は楽しいが、大人向けじゃない。ビジネスで使えるかと問われれば、僕は首を横に振る。

プラスチックっぽい見た目のボディに加えてスケルトンとなれば、どうしても子供っぽさが先立つ。スケルトンが許されるのは子供だけ。ゲームボーイのスケルトンで心躍っていた頃にはもう戻れない。

ビジネス向けの万年筆として使いたくて、かつ周囲の目を気にするタイプなのなら、キュリダスは選ぶべきじゃない。

キャップレスを使ったことがあるなら、なおさらだ。キャップレスのデザインを前にすると、キュリダスはどうしても学生向けだなと感じてしまう。

ノックしていないと長い

一番上がキュリダス。

キュリダスは、長い。

ノックをしているとそうでもないのだが、ノックしていないと長い。写真を見てもらえればわかるが、一般的な万年筆よりもだいぶ長い。

試してみたが、ワイシャツの胸ポケットにギリギリ入るくらい。

大きいのでその分、重量もある。胸ポケットに入れると、重さを肌で感じるくらいは重たい。

普段使いするなら割と大事な部分なので、胸ポケットに入れて持ち運びたいと考えている人には、あまり合わないと思う。

何度か胸ポケットに入れて使ったが、最終的に手で持って移動するようになっていた。邪魔だった。

顔料インクを使うならF以上の字幅で

正直、これが一番盲点だった。

プラチナは顔料インクにも力を入れていて、真っ黒な文字を書ける上に長期保存も可能なカーボンインクは重宝していた。

キュリダスでも当然のようにカーボンインクを使ってみたが、僕が持っているEFだとインクが出なかった。

他の水性インクだと問題なく出るのに、カーボンインクだけは出なかったんだ。

ペン先が細すぎて詰まっているのかどうかは不明だが、純正インクでも顔料インクは止めた方がいい。

EFを買うつもりなら、水性インクだけを使った方が無難だ。

せっかくコンバーターまで使えるのにインクに制限がかかっては楽しくないので、細字か中字を強く推す。EF(極細)は止めておけ。

キャップレスの鉄ペンと同価格帯

キュリダスは一見安いように思われているが、その実、キャップレスの鉄ペンVerと同じ価格帯だ。もし迷っているなら、後はもうデザインと機構での判別になる。

キャップレスはPILOTとあってインクがドバドバでるので、すぐに字が滲む。

細かい字を書きたいならキュリダスが勝つ。

見た目なら圧倒的にキャップレス。

自分のニーズに合わせて、キャップレスが良いのかキュリダスが良いのかを選択しよう。両方持っている人間の意見としては、どっちも買えばいいと思う。万年筆ユーザーとして、何もおかしなことはない。

まとめ:キュリダスはコスパが良いノック式万年筆

キュリダスは、国産万年筆のノック式としては完成度がかなり高い。

インクが乾きにくいスリップシール機構に加え、持ちやすい太軸ボディとスケルトンボディ。カートリッジとコンバーターの両方が使える。

刺さる人には間違いなく刺さりまくる万年筆だ。

しかも7000円台とかなり安い。キャップレスの鉄ペンでも8000円くらいなので、価格も非常に頑張っている。ありがたい。

  • 初めての万年筆としてオススメ
  • ノック式は思っている以上に便利
  • インクが乾きにくいので気にせず使っていける

このようにな万年筆に対して持っているネガティブなイメージを払拭してくれる万年筆なので、最初の1本にはオススメだ。

キュリダスかキャップレス。

ノック式の万年筆としてどちから1本を持っておくと、ストレス無く万年筆ライフを楽しめること間違いなしだ。

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