【オレンズATデュアルグリップタイプ】自動芯出し機能が便利すぎ。学生から大人まで幅広く使えるシャーペン【レビュー】
芯を1度出したら後は書くだけでOK。ノックせずともずっと書いていける。
そんな夢のようなシャーペンがある。オレンズだ。
オレンズATデュアルグリップタイプは、そんなオレンズシリーズの中でも中価格帯に位置するオレンズだ。オレンズネロほど高級ではないが、通常のオレンズよりちょっと背伸びできる。
今回はそんなオレンズATデュアルグリップタイプを3ヶ月みっちり使っみた。
- オレンズATデュアルグリップタイプって普通のオレンズと何か違うの?
- どのオレンズを買おうか迷ってる
- オレンズATデュアルグリップタイプの書き心地を知りたい
このような人の参考になるだろう。
なお、個人的にオレンズシリーズを買うなら、オレンズかオレンズネロがオススメだ。オレンズATデュアルグリップタイプは、2023年8月現在において少し物足りないシャーペンである。
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ぺんてる「オレンズATデュアルグリップタイプ」は新しいモデルのオレンズ
ぺんてる「オレンズATデュアルグリップタイプ」は、オレンズシリーズの新しいモデルだ。従来オレンズに搭載されていた「オレンズシステム」はそのままに、しっかり握れるデュアルグリップが新たに追加されている。
ATとは、「Automatic Technology」の略。つまり、自動車のATと全く一緒だ。実にオレンズらしいネーミングだと言える。
何しろオレンズは、1回ノックすれば後はずっと書き続けられるシャーペンの先駆け。高級モデルであるオレンズネロが入手困難になるほど注目を集めたことも記憶に新しい。
そんなオレンズの新モデルだからこそ、真新しさよりも「使いやすさ」を重視した工夫が随所に施されている。
中でも最も目を引くのが、名前にもなっているデュアルグリップだ。ラバー+金属で構成されているため、しっかり握れる。この辺りはさすがぺんてる。グラフ1000などで培ったノウハウが活かされているのがわかる。
それでいて1度ノックすれば後はノックしなくていいのだから、利便性の面では最上位に位置する。名だたるクリエイターが愛用している理由がわかるというものだ。
オレンズATデュアルグリップタイプは、そんなオレンズの中間的立ち位置として誕生した。
オレンズネロは高いから手を出しにくい。でも普通のオレンズはちょっとなぁ……。
こんな悩みを持っている人に、ドンピシャで刺さるモデルなのである。
製品名 | オレンズATデュアルグリップタイプ |
品番 | XPP2005-B XPP2005-C XPP2005-N XPP2005-Z |
価格 | 2,200円(税抜価格 2,000円) |
種類 | シャープペンシル |
サイズ | 最大径φ:11mm 全長:136mm 重量:15.0g |
対応可能な芯の太さ | 0.5mm |
軸 | 樹脂 |
グリップ | ラバー 金属 |
方式 | ノック式 |
替ゴム(消しゴム) | XPPE-5 |
ぺんてる「オレンズATデュアルグリップタイプ」レビュー
さっそく「オレンズATデュアルグリップタイプ」をレビューしていく。実際に3ヶ月毎日使ったから、買った時の参考になるだろう。
自動芯出し機構(AT)が使いやすい
オレンズATデュアルグリップタイプには、オレンズの代名詞とも呼べる自動芯出し機構(AT)が搭載されている。これが実に使いやすい。
自動芯出し機構とは、1回ノックすれば後は自動で芯が出続ける機能のこと。オレンズが初出で、以降「ノノック」や「クルトガ ダイブ」など続々と商品が出ている。
シャーペンにとって、ノックは必須の行為だ。芯が短くなると、ノックをして芯を出さないといけない。鉛筆の先端が丸くなったら削るのと同じように、筆記とセットの行動だった。
だが、自動芯出し機能があればノックから開放される。「なんだそんなことか」と思うかもしれないが、使ってみるとわかる。芯を出すためにいちいちノックするのは、面倒くさかったんだと。
オレンズATデュアルグリップタイプは、自動芯出し機構によって書き始めに1回ノックするだけでいい。後は芯がなくなるまでノックをする必要がない。ずっと書き続けられる。
- 集中して勉強したい
- 書くことに集中したい
こんな場合に大きな効果を発揮する。勉強や仕事など、集中して取り組みたい人なら間違いなく恩恵を得られる。
自動繰り出し機構(AT)を活用して都度ノックをしなければいけない生活からさよならしよう。
持ちやすい金属製のデュアルグリップ
オレンズATデュアルグリップタイプのグリップは、持ちやすい金属製だ。しかもただの金属じゃない。ラバーが混ざっている。
このラバー部分がポイントで、指が滑るのを防いでくれている。オレンズシリーズの場合、「オレンズメタルグリップ」だとローレット加工によって指を固定していた。
オレンズATデュアルグリップタイプでは、金属にラバーの組み合わせを採用している。2つの素材を使っているから、デュアルグリップ。実にわかりやすい。
本当に滑らないのぉ?
と考える人もいるかもしれない。安心してくれ。ぺんてるは既に「スマッシュ」という長年愛されているシャーペンの名器によってノウハウが蓄積されている。
自動繰り出し機構という最新の技術に、往年の愛されている機構をプラスしているわけだ。何とも熱い商品じゃないか。
実際使ってみと、オレンズATデュアルグリップタイプは指が全く滑らない。しっかりホールドできて字が書ける。
開発者のインタビューで「1番使いやすいグリップを考えた際に行き着いた」とあったが、まさしくと膝を打ちたくなる。
握りやすく書きやすく使えないデュアルグリップタイプなので、長時間の使用も考えている人は安心してくれて良い。
低重心だから長く書いても疲れにくい
オレンズATデュアルグリップタイプは低重心だ。上の画像を見てくれればわかるように、中心点がグリップの真ん中より下に位置している。
低重心のメリットは、なんと言っても疲れないこと。安定して持てるため、書きやすくて手が疲れにくいのだ。しかもペン先がブレない。
製図用シャーペンが軒並み低重心なのは、そうした理由が背景になる。結果、文字をたくさん書く学生にも人気になっているのだ。
低重心は、芯が自動で出てくる機構とも相性が良い。ずっと安定して同じペースで書き続けられるのだから、手の疲れを感じずに書き続けられる。
3ヶ月みっちり使って1番良かったと感じたのは、この部分だ。職業柄、アイデア出しのためにシャーペンで字を書くことが多いから、本当に助かった。
長く書いても疲れないシャーペンを探しているのなら、オレンズATデュアルグリップタイプはオススメだ。
カッコイイ金属製のデザイン
オレンズATデュアルグリップタイプのグリップはカッコイイ。見て欲しいこのメタルグリップ。実にきらびやかだ。男の子はみんなシルバーが大好きなのである。たまらねぇぜ……!
オレンズは他にもメタルグリップとネロを持っているんだけど、それとも少し違う。ラバー部分で指が固定されるから、表面がツルツルとした仕上がりになっている。スマッシュやグラフ1000のように、製図用を意識して作られているのが良くわかる。
また、上部の樹脂部分によってグリップ以下が引き立てられているのも見過ごせない。近しいものだとPILOTのS10があるんだけど、それと比べても受ける印象が異なる。
上の画像を見てくれればわかるように、メタル部分が非常に映えている。金属製のハッキリとしたデザインが好きなのであれば、オレンズATデュアルグリップタイプは確実にハマるだろう。
金属製のデザインが好きなのであれば、オススメだ。
対応している芯は0.5mmのみ
オレンズATデュアルグリップタイプが対応している芯の太さは、0.5mmだけだ。0.5mm以外の太さが好きな人は、今のところ諦めるしかない。
ただ、ゼブラが2015年8月に実施した「シャープペンの使用実態調査」によると、0.5mmの使用率は70%と圧倒的な数値を誇っているのが実状だ。
多くの層が使っている芯の太さに合わせたのだから、商品開発の面からすれば正しい。普段から0.5mm以外の太さを使っている人は、ノーマルのオレンズやオレンズネロを使う方が良いだろう。念のため、以下に対応している芯の太さを表で記載しておく。
シリーズ名 | 対応している芯の太さ |
---|---|
オレンズ | ・0.2mm ・0.3mm ・0.5mm |
オレンズ メタルグリップタイプ | ・0.2mm ・0.3mm ・0.5mm |
オレンズATデュアルグリップタイプ | ・0.5mm |
オレンズネロ | ・0.2mm ・0.3mm ・0.5mm |
ほんと頼むよぉ、オレンズATデュアルグリップタイプ!
個人的に0.3mmの太さが大好きだから、ガックリきた。0.5mmは標準的だし書きやすいんだけど、太さがどうしても気になる人間としては、ちょっと残念。特に手帳に書く際に不便なのだ。
0.5mmユーザーにはオススメなんだけど、それ以外の芯の太さが好きな人は、対応するのを待ってみるのも良いだろう。たぶん出る。
ボディカラーは4種類
オレンズATメタルグリップタイプのボディカラーは4種類ある。以下。
- ダークレッド
- ダークブルー
- グレー
- シルバー
どれも落ち着いた色合いで、大人を彷彿とされるカラーだ。いい年こいたおっさんである僕は、店頭で一目惚れした。それくらい良い色合いだ。
僕が持っているのはダークレッドなんだけど、色合いとしては結構暗めになっている。木目のテーブルと合わせても違和感がないほどアダルティだ。
大人っぽいデザインのシャーペンを使いたいなら、オススメだ。オレンズはシリーズを通してデザインで差別化をしてくれているから、好みに合わせて買えるのが嬉しい。
学生から社会人まで幅広く使えるボディカラーと言えるだろう。
ぺんてる「オレンズATデュアルグリップタイプ」の気になる点
オレンズATデュアルグリップタイプは使いやすいシャーペンなんだけど、使っていて気になる部分ももちろんある。ここからは3ヶ月使って気になった部分を紹介する。参考にしてくれると幸い。
書く時に芯が引っかかってストレス
オレンズATデュアルグリップタイプは、書く時に芯が引っかかる。芯の自動繰り出しによってガイドパイプが上下することに起因している。ぶっちゃけオレンズATに限った話じゃない。
普通のシャーペンと同じ感覚で書いていると、芯が短くなった時にどうしてもガイドパイプが紙に擦れてしまう。紙が破れるまではいかないんだけど、引っかかることで集中力が途切れてしまう。
個人的に使っていて1番気になった部分だし、多くの人が「おや?」と感じる部分になるだろう。
一方、他のオレンズシリーズだと引っかかりがほとんどない。機構や素材を見直しているのもあって、生じてしまったのだと予想できる。
ただ、一応引っかかりを感じずに書く方法は見つけた。シャーペンを垂直に近い角度で持てば、ほとんど引っかからない。要は持ち方の問題である。
僕はシャーペンを寝かして持つ癖があるから、引っかかりを強く感じてしまう。オレンズATデュアルグリップタイプを買おうかなと思っている人は、自分の持ち方を確認してからにすることをオススメする。
持ち方を矯正するのは、結構ストレスだからね。
0.5mmの芯にしか対応していない
オレンズATデュアルグリップタイプは、0.5mmの芯にしか対応していない。先述したが、0.3mmや0.2mm、もしくは0.7mmのような太さが好きな人にとっては物足りなく感じてしまうだろう。
事実、3ヶ月ほど使っていて「0.3mm使いてぇなぁ」と何度も思った。細かい字を書くなら、0.5mmはやっぱりちょっと太い。
オールマイティに使えるのは間違いないので、自分がどのシーンでメインに使うのかを思い浮かべた上で買うと良いだろう。
僕の場合、最終的に以下のように使い分けた。
- 手帳・読書ノート:0.3mm
- アイデア出し・仕事:0.5mm
大きく書いても問題無いものに関しては、オレンズATデュアルグリップタイプの独壇場だ。めちゃくちゃ使いやすい。反面、細字の方が適しているものに関しては、別のシャーペンを使おう。オレンズで統一するのも良い。
0.5mmしかないのは気になる点なんだけど、使うシーンを決めているのであれば大して気にならない問題でもある。
他のオレンズの方が使いやすい
オレンズATデュアルグリップタイプを使っていて感じたんだけど、他のオレンズの方が使いやすい印象があった。特に以下の点で違和感を覚えた。
- 自動芯出し機能のスムーズさ
- 先端の紙への引っかかり
- 書く時に鳴る音
特に気になったのが、書く時に鳴る音。多機能ペンに付属のシャーペンを使っている時のような「もきゅもきゅ」に近い音が聞こえたのだ。集中したいのに気になって集中できなかった。他のオレンズでは鳴らない音だったから、なるべく無音の状態で集中したい人は要注意だ。
完成度の高いオレンズだなーと感じていたから、残念でならない。とはいえ、「そんくらい気にならねぇよ!」って人には全く影響が無いのも事実。
現在、他のオレンズを持っていない人だと気にならないレベルなので、安心して欲しい。
「オレンズネロ」との違い
オレンズATデュアルグリップタイプを買おうかどうか迷った時に気になるのが、オレンズネロだ。1,000円出せば届く価格であるため、悩ましい部分となる。
以下でそれぞれ比較をしてみたので、参考にして欲しい。明確に違いがある部分だけ赤字にしている。
オレンズATデュアルグリップタイプ | オレンズネロ | |
---|---|---|
価格 | 2,200円(税抜価格 2,000円) | 3,300円(税抜価格 3,000円) |
サイズ | 最大径φ:11mm 全長:136mm | 最大径φ:12mm 全長:143mm |
重さ | 15.0g | 17.0g |
対応可能な芯の太さ | 0.5mm | 0.2mm 0.3mm 0.5mm |
カラー | グレー シルバー ダークレッド ダークブルー | ブラック |
軸 | 樹脂 | 金属 |
グリップ | ラバー 金属 | 樹脂+金属混合の特殊材 |
方式 | ノック式 | ノック式 |
ほとんど違いがないことがわかる。
オレンズATデュアルグリップタイプの方がサイズが小さく、取り回しが良いと認識しよう。実際に両方使っている身としては、ほとんど気にならない。
金属とあってオレンズネロの方が重量感があるので、長時間の筆記を想定しているなら大きな差が生まれる。
一方で、対応している芯の太さはオレンズネロの方が多い。細い字を書きたいって人はオレンズネロにするか、もう少し価格帯を下げてオレンズメタルグリップタイプを選ぶ必要がある。
ではどんな人ならオレンズATデュアルグリップタイプを満足できるのか。次の項目でオススメの人を紹介する。
ぺんてる「オレンズATデュアルグリップタイプ」がオススメの人
オレンズATデュアルグリップタイプは、使いやすい自動芯出し機構が搭載されたシャーペンだ。これだけ聞くと万人にオススメできるようにも感じられるけど、実際はそうでもない。
3ヶ月間使ったからこそわかるのだが、価格分以上の価値を感じるられるかどうかは人によって分かれる。今回紹介したレビューを加味して、僕なりにオススメできる人/オススメできない人を以下の表に記載した。買う際に参考にして欲しい。
オススメの人 | オススメじゃない人 |
---|---|
ノックをするのが面倒臭い人 オレンズシリーズが好きな人 仕事でオレンズを使いたい人 0.5mmの芯しか使わない人 | ノックして書くのが苦じゃない人 ガイドパイプが動くのが好きじゃない人 書く時に紙に引っかかるのが好きじゃない人 0.5mm以外の芯を愛用している人 |
ざっくりまとめると、こんな感じ。
自動芯出し機構をフルに使える人には、文句なしにオススメだ。一方で、自動で芯を出す際にガイドパイプが動くため、製図用シャーペンが好きな人には少し合わない。書く時のスコスコした感覚を許容できるかどうかが分水嶺だ。
オレンズATデュアルグリップタイプは新しいオレンズだからこそ、従来のオレンズとはまた違った使い心地がある。シリーズファンでも使っていて楽しいのは間違いないので、オレンズ好きは買ってOK。むしろ買おう。
大人びたデザインだから、職場で使っても何の違和感もない。
上記に少しでも当てはまるなら、きっと満足できるだろう。
ぺんてる「オレンズATデュアルグリップタイプ」は自動芯出し機構が便利な新しいシャーペン
ぺんてるの「オレンズATデュアルグリップタイプ」は、 自動芯出し機構が搭載されたシャーペンだ。従来のオレンズシリーズと同様に、1回ノックすれば、後は芯が無くなるまで書き続けられる。ハッキリ言って革命である。
公式でもメインターゲットは学生としているが、大人が使っても違和感の無いデザインに仕上がっている。キャッチコピーである「思考を止めない。」を体現したシャーペンと言えるだろう。
使える芯が0.5mmだったり芯が紙に引っかかったりはするが、気にならない人なら最高の相棒になってくれるのは間違いない。オレンズを4本持っている僕が保証する。マジで抜け出せなくなる。
2,200円(税込)と少し高額にも感じられるが、学生から大人まで長く使っていくと考えたら安いものだ。人生の相棒になってくれるシャーペンを探しているのなら、オレンズATデュアルグリップタイプを候補に入れてみることをオススメする。
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