【プロシオン ラスター レビュー】使いやすさとコスパを両立させた万年筆【オススメ】
オシャレなデザインの万年筆を探していないだろうか?
万年筆のデザインは、仏壇と呼ばれる黒いボディに金色のアクセントが主流だ。硬派な大人の道具というイメージは強いが、若い世代が使うにはちょっと恥ずかしいのもある。
僕のように30代のおっさんは、特にどっちに自分を置いていいのかわらかない世代だ。おっさんなんだけど、若い世代でいたい。
そんな人にオススメしたいのが、プラチナ万年筆の「プロシオン ラスター」だ。
若者向けでありながら、30代でも気兼ねせずに使える絶妙なデザインをしている。
今回はそんなプロシオン ラスターを2ヶ月ほど使い倒したので、レビューしていく。
- 黒と金色のデザイン以外の万年筆を使いたい
- お手頃価格で仕事でも使える万年筆を探している
- ちょっと背伸びして大人向けの筆記具を使いたい
以上の人は必見だ。初心者~上級者まで幅広くオススメできる万年筆である。
プラチナ万年筆『プロシオン ラスター』はプロシオンの高級版
プラチナ万年筆の「プロシオン ラスター」は、プロシオンの高級版だ。5,000円の手を出しやすい価格帯であったプロシオンに高級感を持たせ、8,000円の価格帯で販売されている。
ボディ素材はアルミニウムなのだけど、それぞれ更に個別にブラスト処理やサテン処理が施されている。
ペン先はステンレスペン(鉄ペン)なため、実用面では最高クラス。特に仕事では乱雑に扱う場面もあるから、金ペンよりもステンレスペンの方がありがたい。
更に本体重量も23.3gと重すぎず軽すぎずのちょうど良いライン。
同価格帯だとセーラー万年筆のプロフィットライトしかないのも強みだ。プラチナ万年筆だとノック式万年筆であるキュリダスになるから、差別化もできている。
ボディも女性受けしそうなデザインで、自己主張が激しくない。筆箱の中にそっと佇んでくれている上質さがある。
もちろんプラチナ万年筆独自の機能であるスリップシール機能も搭載。インクがほとんど乾かないから、万年筆を数ヶ月使わなくても全く問題がない。
プロシオン ラスターは、まさしく非の打ち所がないくらい優秀な万年筆なのだ。
プラチナ万年筆『プロシオン ラスター』レビュー
さっそくプラチナ万年筆「プロシオン ラスター」のレビューをしていく。2ヶ月間、毎日使った。
実際に使った場合も同じことを感じるだろうから、参考にしていただけると幸い。
高級感のあるデザイン
プロシオン ラスターはなんと言ってもデザインが素晴らしい。
もちろんそれはプロシオンから引き継がれたものなのだけど、ラスターになって以下のように処理・加工がされている。
ボディカラー | 本体加工・処理 |
---|---|
ブラックミスト | ブラスト処理、アルマイト加工 |
ローズゴールド | サテン処理、アルマイト加工 |
シャンパンゴールド | |
サテンシルバー |
触ったら実際どんな感じ?
通常のアルミニウムよりも“しっとりとした”さわり心地だよ。感触としては、もち肌が近い。
キャップ式ではあるがキャップとボディとの段差がそれほどないため、ずんぐりとしたボディになっていない。例えば、以下の画像を見て欲しい。
だが、プロシオンラスターは、海外の万年筆のようなスマートさがある。参考までにウォーターマンのエキスパートエッセンシャルGTと並べてみよう。
普段使いできるステンレスのペン先(鉄ペン)
プロシオン ラスターのペン先はステンレス製だ。いわゆる鉄ペン。金ペンと比べてしなりはないが、ガシガシと使っていける頼もしさがある。
正直、仕事で普段使いするなら鉄ペンの方が良いので、これは嬉しいポイント。
じゃあ、金ペンっていつ使うの?
特別な時でいいよ。日記とかね。家で使う方が安心だよ。
万年筆は筆記具だ。使ってなんぼの道具である。だからこそ、エントリーモデルにはステンレス製のペン先が相応しい。
筆圧もさほど考えなくて良いので、贈り物としても最適。万年筆を普段使っていない人からしたら、力の入れ方なんてわからないからだ。
ペン先は2種類
プロシオン ラスターのペン先は2種類ある。それが以下。
- F(細字):0.38mm
- M(中字):0.5mm
字幅の数字は目安の細さだ。紙質によって変わる。
例えば紙が滲みやすい素材だと、一回り以上太くなる。逆に紙質が良くて滲まないものだと表示通りの太さになる。
ペン先の太さは好みがわかれる部分なので、最終的には何を重視するかで変わる。
ペン先の太さ | 字の細さ | 漢字の書きやすさ | インクの濃淡 |
---|---|---|---|
F(細字) | 細 | ○ | × |
M(中字) | 太 | × | ○ |
上記の表の違いは、誰しも感じる部分だ。
特に漢字の書きやすさは使いやすさに直結する部分なので、注意されたし。余程のことじゃない限り、F(細字)を選んでおけば問題はない。
ボディカラーは4種類
- ブラックミスト
- ローズ ゴールド
- シャンパンゴールド
- サテンシルバー
この中で僕が持っているのはシャンパンゴールド。大人っぽい色に惚れ込んで買った。
ブラックミストはド定番なカラーだし、サテンシルバーも色合いが実に良い。ゴールド系は男女問わずどちらでも使っていけるボディカラーだ。
ただ全てに共通しているのが、大人向けの色合いという点。従来の万年筆のデザインとは違ってスタイリッシュだからこそ、映えるカラーになっている。
カートリッジ・コンバーターの両方に対応
仕事で使う場合はカートリッジが主になるが、コンバーターを使ってお気に入りのインクを使うことももちろん可能。特にプラチナ万年筆はインクの種類が豊富だから、自社のインクを使うだけでも楽しい。
- 水性インク
- カーボンインク
- クラシックインク
それぞれカラーバリエーションもあるので、好みのインクを使うのも良いだろう。
またプラチナ万年筆は万年必要インククリーナーキットも販売している。もしインクでトラブルがあっても、ある程度は自分で対処できるのも魅力だ。
使う場面に合わせてインクを変えられるのは、プロシオン ラスターの大きな魅力と言える。
長時間放置でもインクが乾燥しない
エントリーモデルである#3776 センチュリーに搭載されて以降、様々な万年筆に採用されている代表的な機能でもある。
半年間放置していても、サラッと書けるよ!
他社の万年筆だと半年放置すればインクが乾燥して書けないので、これは大きな強み。
ただし、キャップを付けている状態で初めて効果があるので、ペン先がむき出しだと普通に乾燥する。
1回転でキャップを外せる
プロシオン ラスターは1回転でキャップを外せる。
1回転もするの? と思うかもしれないが、他の万年筆はもっと回転しないとキャップを取れない。大体が2回転ほど必要。
これが地味に大きい。ネジ式のキャップは嵌合式(ボールペンのキャップと同じタイプ)よりも外すのに手間と時間がかかるのが欠点だ。
ただしインクが乾きにくくなるのでメリットも大きいのだが、普段使いするにはどうしても不便だった。何しろ何回もキャップを回さないといけないのだから。
だがプロシオン ラスターはキャップを1回転させるだけで外せる。これが結構ありがたくて、「プロシオン ラスターで字を書くかー」という気分にさせてくれるのだ。
さすがにノック式のキャップレスやキュリダスには敵わないが、嵌合式と同じくらいにすぐにキャップを外せる。
ストレス軽減の役割を担ってくれている大事な機構だ。
プラチナ万年筆『プロシオン ラスター』の気になる点
プラチナ万年筆のプロシオン ラスターはには気になる部分がいくつかある。特に以下の2点は、使っていると気になる人もいる部分だ。
- 正しく持たないとインクが出ない
- ペン先のデザインは好みがわかれる
正しく持たないとインクが出ない
正確には、正しい角度でペン先を紙に置かないとインクが出ない。ちょっとでも角度がズレると出ない。
落ち着いて字を書く場合は「ははは、仕方ないなぁ」と思うのだけど、急いでいると話は別。「インクが出ぇへんやんけ!」とイライラする。
他の万年筆だとこうはならず角度にも遊びがあるから、多少変に持っていても問題なく書ける。
急いで字を書こうとすると、どうしても字が掠れてしまうことがあるから注意。
ペン先のデザインは好みがわかれる
プロシオン ラスターのペン先は好みがわかれるデザインとなっている。
単体で見るとそうでもないのだけど、他の万年筆と比べると以下のように違う。
ただ同社のプレジールやキュリダスは同じデザインなので、気にならない人は気にならない。
個人的にペン先はストレートじゃなくちょっと外側に向かって反り返って欲しいので、残念。
プラチナ万年筆の「P」の文字も好みがわかれるポイント。もうちょっと装飾している方が良いなという人は、少し不満に感じるだろう。
プラチナ万年筆『プロシオン ラスター』はオシャレ良しコスパ良しの万年筆
プラチナ万年筆のプロシオン ラスターは、プロシオンの高級路線だ。ビジネスユーザー向けに、オシャレなデザインをしている。
もちろん実用面も考えられており、ハードに使っても応えてくれるだけの性能を秘めている。特に1回転でキャップを外せるのは、地味ながら使い勝手の良さでは他の追随を許さない。
一方、正しく持たないとインクが出にくいというデメリットもある。ただデメリットは使っていく内に慣れていくから、そのうちに感じなくなるだろう。総合的に非常に優秀な万年筆と言える。
オシャレなので、ザ・万年筆のデザインが嫌な人にもオススメだ。
- デメリットは使っている内に慣れる
- 細部にまで使いやすさをこだわっている
- ビジネスユーザー向けのオシャレかつ実用性の高い万年筆
1万円以下で買える万年筆を探している人は、ぜひ手に取ってみれ。