【コクーン】抜群のインクフロー。初心者にオススメの万年筆【レビュー】
万年筆をプレゼントしたいんだけど、「お手頃な金額」で「使いやすくて」「見栄えの良い」万年筆ってないの?
初めて万年筆を買うんだけど、何を買えばいいんだろう?
そう考える人、多いんじゃなかろうか。僕も初めて万年筆を買った時はそうだった。おっかなびっくり、Amazonでポチったのを覚えている。
しかしその時買った万年筆『コクーン』は、5年経った今でもずっと使っている愛用品となっている。今回は、万年筆ユーザーの僕から見た、低価格帯の万年筆でニーズに応えてくれるお勧めの万年筆『コクーン』を紹介したいと思う。
- 万年筆をプレゼントとして贈りたい!
- 初めて買う万年筆はどれがいいの?
- コスパの良い万年筆って何がある?
そんな人の参考になるだろう。
PILOT『コクーン』はコスパ最強のモンスター万年筆
PILOTのコクーンは、コスパ最強の万年筆だ。初めて使う万年筆は何がオススメ? と訊けば、多くの万年筆ユーザーがコクーンを挙げるだろう。それくらい良い。何しろ、3,000円(税別)で以下のような使い心地のある万年筆はまずないからだ。
- 書きやすい
- 使いやすい
- デザインが良い
しかも字幅も選べるのだから、大盤振る舞い。質感も非常に良いので、しっとりと手に馴染んでくれるのだ。しかもカートリッジ・コンバーターの両方に対応。贅沢すぎる。
もし1,000円の万年筆を買おうと思っているのなら、少しだけ頑張ってコクーンを買う方がよっぽど良い。それくらいこのコクーンという万年筆は完璧。今でこそ1万円以上する万年筆を何本も使っているが、それでもコクーンを使い続けてしまうのは、コクーンでなければ味わえない魅力があるからだ。
万年筆選びで迷っている人は、ぜひ1度コクーンを手に取ってみてくれ。
PILOT『コクーン』レビュー
ではさっそく、PILOTのコクーンを見ていこう。なお、コクーンには他にシャーペン・ボールペンがラインアップされている。今回紹介しているのは万年筆だが、全部同じデザインだから間違えないようにしよう。
グッドデザイン賞を受賞した良デザイン
コクーンは、その名の通り「繭」をモチーフにしたデザインで、めちゃくちゃスタイリッシュだ。海外の万年筆のように個性が強すぎることもないから、プライベートからビジネスまで時と場所を選ばずに使っていける。
参考までに、コクーン以外の国産万年筆と海外万年筆を比較したのが以下。
セーラー、ウォーターマンと比べてみても、見た目の良さは頭一つ抜けている。仏壇(黒と金のみで作られた色のこと)カラーじゃないだけでも、素晴らしい。それもそのはず。30歳くらいの若いビジネスパーソンをターゲットにして作られたとのことだから納得だ。
ザ・万年筆なデザインが嫌いなら、コクーンはとても良いデザインと言える。背伸びしたいけど年配っぽいのは嫌! みたいな人にはピッタリだ。
書きやすいペン先
コクーンは低価格万年筆なため、ペン先は鉄ペン――ステンレスとなっている。金ペンと比べて“しなり”はないものの、ガシガシ使っていけるのはありがたい。特に普段使いするなら、多少でも頑丈な方が実用的だ。
しかしこのコクーン、実際に書いてみると鉄ペンらしいカリカリ感があまり無い。というのも、PILOTはインクフロー(インクの出る量)が良いからペン先が滑りやすい傾向にある。だから、膨大なインク量でペン先の引っかかりそのものが発生しないのだ。この辺りの調整はさすがPILOT。力を入れずに書けるのが万年筆の大きなメリットなので、コクーンは低価格ながら万年筆に必要な要素を満たしていると言っていい。
ぶっちゃけ、1万円の価格帯の万年筆と比べても、コクーンの方が書きやすかったりする。
カートリッジとコンバータ-の両方が使える
コクーンはコンバーターとカートリッジの両方を使える。コンバーターとカートリッジの違いは以下。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
コンバーター | ボトルからインクを吸い上げて補充する | ・容量あたりのインクが安い ・いろんなインクを楽しめる | ・インクの補充が手間 ・洗浄する必要がある |
カートリッジ | インクの詰まったカートリッジを差し替えて使用する | ・楽ちん ・インクが切れても補充が早い | ・インクの種類が少ない ・割高 |
それぞれメリットとデメリットがあるので、普段の使い方から判断してくれ。個人的にオススメはカートリッジ。家でゆっくり使いたいならコンバーターでも良い。我が家だと日記用に使っている万年筆だけコンバーターにしている。
コクーンはコンバーターとカートリッジのどちらも使えるため、両方の需要に応えることができる。万年筆を初めて買う人はもちろん、プレゼントされた人も自分の好きなスタイルで万年筆を使えるので、大きなポイントだ。
嵌合式なのですぐに書ける
コクーンのキャップは、ボールペンのように嵌合式(かんごうしき)だ。普通、万年筆のキャップは機密性を保持するためにネジ式になっていて、キャップを回して開けるのがほとんどなのだが、コクーンは取り回しを考えてか嵌合式になっている。キャップもすっと外れてくれるので、会議中にキャップを取り外しまくっても音が気にならない。
ノック式ボールペンにあるようなカチッとした音もほとんどしないので、静音性にも優れている。この絶妙な静けさはさすがPILOT。咄嗟のメモにもしっかり対応してくれるから、場面を選べずに使えるのはコクーンの特徴だ。仕事で使いたい人にもオススメ。
ペン先の太さは2種類
コクーンのペン先は2種類ある。以下の2種類だ。
- F:細字(0.3mm相当)
- M:中字(0.5mm相当)
ペン先を選べるのは嬉しいポイント。どちらも需要が高い太さなので、買って困ることはないだろう。
日本人が使うなら、Fが1番良いとされている。日本語はペン先が細いほど書きやすいからだ。
安い
コクーン、これだけの機能があるのに金額は何と3,000円(税別)だ。もう驚きと言う他無い。めちゃくちゃ安い。
低価格万年筆なので、少し大きめの文房具屋や、大きめの書店なら大体は置いている。欲しいと思った時に買えるのも実に良い。
PILOT『コクーン』の気をつけるべきポイント
ここから先は5年以上使っていて気になるポイントを解説していきたい。
インクフローが良すぎる
コクーンだけじゃなくPILOTの万年筆全般に言えるのだが、インクフローがとにかく良い。どばどばインクが出る。
僕が持っているのはコクーンのM字だが、以下を見てくれればそのインクフローがわかると思う。
ボールペンと違い、インクフローは紙質にも大きく影響を受けるため、にじみやすい紙を使っている場合はもっと悲惨になる。
プレゼントにせよ、自分で使うにせよ、F字を選ぶ方が良い。
キャップポストするとインクがボディに付く
インクフローが良すぎるからだと思うが、ペン先のインクがキャップの内側につき、それをキャップポストするとボディにつくという、何ともな状態が起こる。使い終わってキャップを閉じたコクーンの後ろに、インクが付いていたりするのだ。当然、気がつかずに手でボディを触って手がインクまみれになる、なんてことも何度か起こった。使い方の問題だとは思うが、気をつけて欲しい部分でもある。
ちなみにインクを取る時は以下のようにやってみるとすぐに取れる。
鼻血が出た時に作る“こより”みたいなものだ。ティッシュさえあれば簡単にできるのでオススメ。
PILOT『コクーン』は欠点らしい欠点がない傑作万年筆
コクーンは、そのPILOTらしいインクフローを除けば、欠点らしい欠点が見当たらない。
デザインも可愛いし、プレゼントしても喜ばれる万年筆だろう。
- プレゼントでも喜ばれる万年筆
- 初めての万年筆としてもオススメ
- コスパ抜群の万年筆
以上の需要を満たすにはぴったりの万年筆だ。
まさしくコスパお化けな万年筆なので、気になった人は是非一度使ってみて欲しい。