ちょっと待った! ピュアモルトのボールペンを買わない方が良い3つの理由【レビュー】

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木軸のボディが大好きだ。使っている内に変化していく経年変化や、温かみのある手触りなんかは木軸にしかない魅力だと心の底から思う。

しかし近年、木軸のボールペンはかなりの数が出てきている。野原工芸のボールペンなんて、その最たるものだろう。木軸のボールペンは加工に手間がかかるから、総じて値段が高い。

だがそんな木実ボールペンでも、安くて手に入るものはちゃんと存在する。その名もピュアモルト。

今回は、そんなピュアモルトを一年以上使ってみた僕が感じた使い心地やらを忖度無く解説したい。

  • 木軸のボールペンって高い方が良いんじゃないの?
  • 安くて手に入る木軸ボールペンってどんなのがあるの?
  • ピュアモルトって使いやすいボールペン?

って疑問を持っている人には参考になるだろう。なお、高級版のピュアモルトは以下の記事で紹介している。個人的にはそっちの方がオススメ。

あさき

あさきです。Xnoteカクヨムで作品を連載中。Kindleでお仕事ラノベも出版しています。お問い合わせはこちら

目次

uni『ピュアモルト(油性ボールペン)』は気軽に買える木軸ボールペン

ピュアモルト / uni

ピュアモルトは、三菱が販売している木軸ボールペンのシリーズだ。シリーズは何種類か展開されており、中でも最上位であるピュアモルトは非常に素晴らしいボールペンとなっている。

今回はピュアモルトシリーズの一番ノーマルなタイプになる。初めて買った木軸のボールペンなので思い入れも結構ある。どんなボールペンなのかさっそく見ていこう。

安い

ピュアモルトは木軸ボールペンの中ではかなり安い部類に入る。1,000円(税抜)という驚異の価格なので、お小遣いを握りしめれば学生でも買える金額だ。価格だけ見れば名器スマッシュと同じなのだから驚き。

実際、木軸のボールペンは結構な値が張る。木軸で安い筆記具は、最初から木で出来ている鉛筆くらいだ。木をボールペン状に加工しなければいけないため、どうしても価格が高くなる傾向にある。北星鉛筆さんの「鉛筆屋のボールペン」が低価格帯なのは、鉛筆のボディを上手く利用しているからだ。

しかも注目したいのは、ピュアモルトを生産しているのがuniであるという点。大手企業だからこそ、多くの文房具店に卸すだけの力を持っている。そのため多くの実店舗でピュアモルトが販売されている。つまり、以下の点においてピュアモルトは非常に優秀なボールペンなのだ。

  • 多くの文房具店で買える
  • 1,000円(税抜)と買いやすい価格

もちろん、uniさんの企業努力も素晴らしいものがある。それらを加味すると、やはりピュアモルトは買いやすい木軸ボールペンとしてめちゃくちゃお得と言わざるを得ない。特に「木軸ってどんな感覚なんだろう?」って人が初めて買うには良いボールペンなのだ。

インクの書き心地はいまいち

ピュアモルトのインクは、普通の油性インクだ。みんな大好きジェットストリームやアクロインキのような低粘度インクではないので、書いていると重さを感じる。低粘度インクとの違いを知れるので、使ってみると面白ことは面白いのだが、実用面では少し劣る。やはり低粘度インクの使いやすさは群を抜いていると思う。

そのためピュアモルトを使っているとインクを変えたくて仕方がなくなるのだけど、変えられるリフィルが普通の油性インクしかない。

ジェットストリーム? 使えませんよ^^

と言わんばかりに、リフィルのサイズが合わないのだ。

ただ、リフィルの先端に出っ張りがあればジェットストリームのリフィルを使えることは使える。例えば、ジェットストリームのリフィルの先端にセロテープやらを巻き付ければ何とかなる。実際、それで使っている人もいるらしい。

ただし、見た目がじじ臭い上に面倒なのでオススメはしない。なんでボールペンのリフィルにこんな手間をかけなきゃならんのだと心から思ってしまう。それなら最初からジェットストリーム使うわ。手間を惜しむのであれば、ピュアモルトの単色でジェットストリームのインクを使うのは無理だと思っておく方が良いだろう。

最近ではその影響も、グリップだけを木軸にしたジェットストリームの多機能ペンが販売されている。それなら木軸だけのジェットストリームとか販売してくれませんかね? と正直思わなくもないが、使いやすいことは変わりないので、そっちを買おう。

軸の太さは2種類

ピュアモルト / uni
ピュアモルト / uni

ピュアモルトの軸は、2種類用意されている。見分けがつきにくいと思うが、上の画像がそれ。太軸と細軸くらい違うので、買う時は実物を見ることをオススメする。

ちなみに僕が持っているのは太めの軸の方。太めの軸が好きな人には良いが、細い軸が好きな人だとどうしても指に馴染まないくらい太い。Amazonでポチった後に家に届くと後悔するレベル。もしネット通販で買う場合は気をつけた方が良い。個人的にはお店で購入するのを推奨する。

ボールペンにとって軸の太さは使い勝手に直結する。ラーメンで言えば、細麺と太麺のどっちが好きかくらいの差だ。普段使いするものだからこそ、慎重に選んでくれ。

ノックするとちょっと痛い

ピュアモルト / uni

ピュアモルトのノック部分は、長く飛び出ている。先端が平たい訳ではなく、丸みを帯びているのだ。しかしこれはまだいい。デザインとして均整が取れているし、むしろノック部分が平たいと気持ち悪くなる。グッジョブ。

だが気になるのは、ノック時の反発。これがめちゃくちゃ大きい。指を跳ね返そうとせんばかりの強さで押してくる。これがいただけない。

通常ノックは親指の腹で押すと思うが、ノック時の反発で地味に痛いのだ。親指の皮は結構薄いから、反発がダイレクトに神経に伝わる。眠いときにノックすると目が覚めるので、それはそれで良いのだけど普段は無意味だ。特に使っていると、痛くない箇所を探してノックしている自分に気がつく。実にアホらしい。普通にノックさせてくれ頼む。

ピュアモルト / uni

参考までにエナージェルと比べたのが上の写真。先端の丸みの強さがわかると思う。

もしお店に行って触らせてもらえるのなら、実際に触る方が良い。使っていく上で結構気になってくる部分なので、しっかり吟味することをオススメする。僕がピュアモルトを買って一番後悔したポイントだ。

uni『ピュアモルト』は良くも悪くも値段相応の使いやすい木軸ボールペン

ピュアモルトは、どこまで言っても値段相応のスペックを持った木軸ボールペンだ。買いやすいお手頃価格なので、気軽に買えるのが何よりの魅力。それでいてウイスキーを熟成するオーク樽を使っているのだから、所有欲を満たせる。

一方で普通の油性ボールペンだから、ジェットストリームのような低粘度インクには対応していない。どうしても使いたい場合は、ジェットストリームのリフィルを改造するといった一手間が必要だ。また、ノック部分の反発も結構強い。人によってはノック時に指へと負担をかけてしまうことにもなりかねない。そのため店頭で買う場合は、必ず試筆しよう。

  • 1,000円(税抜)で購入できる値段相応の木軸ボールペン
  • 初めての木軸ボールペンとしてオススメ
  • 油性ボールペンの強みを活かせば使える幅は広い

以上が実際に1年以上使っての感想だ。使いやすいのは間違いない。特に複写の書類を書くときには活躍してくれた。それは油性ボールペンならではの強みといえる。反面、それ以外では他のボールペンでも代用ができた。木軸以外は。

結論としては、あまりオススメできないボールペンではある。しかし木軸というだけで使っていてテンションが上がるのは事実。木軸に興味あるんだけど……って人は、是非一度店頭で触ってみてくれ。

なお、経年変化の色合いを楽しみたいなら、色の変化がハッキリとわかるダークブラウンをオススメする。

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