【モノグラフライト】コスパのバグ。細書き好きにオススメの油性ボールペン【レビュー】
株式会社トンボ鉛筆と言えば、文房具界の老舗メーカーだ。
消しゴムを始め、修正テープに鉛筆、固形ノリと様々な文房具を排出している。誰もが子供の頃に1度は手にするメーカーと言っても過言ではない。
僕自身もそうだ。特に消しゴムのMONOは20年以上愛用している。もうこれが無い生活には戻れないほどに。
そんなトンボ鉛筆からボールペンが発売された。その名も「モノグラフライト」。MONOの名を冠している。やったー!
さっそく買って使ったわけだが、これがまた絶妙なバランスのボールペンだった。
今回はそんなモノグラフライトをレビューしていく。2年以上使っているボールペンだ。実際に使った感覚なので、購入の参考にしてくれれば幸い。
- 安くて書きやすい油性ボールペンってある?
- 学生が気軽に買えるボールペンを探している
- MONOのデザインが好きなんだけど、実際どう?
こんな疑問を持っている人は、ぜひ見ていってくれ。
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トンボ鉛筆『モノグラフライト』はペン先が見やすいボールペン
トンボ鉛筆の「モノグラフライト」は、モノグラフシリーズのボールペンだ。シャーペンとして展開しているモノグラフシリーズの兄弟機となる。
似ているシリーズに「モノグラフマルチ」があるものの、あちらは多機能ペン。どちらも使ったことがある身としては、全くの別物だ。正直、ボールペンとしての完成度で見るなら、モノグラフライトが圧倒的に高い。
というのも、9.5gという軽すぎるボディをしているくせに書き味が一級品だからだ。それでいて価格が220円(税込み)と安い。どう考えてもコスパがおかしい。
僕もかなり気に入っているボールペンのひとつだから、家族に何度か貸している。すると借りた本人が気に入って返してくれないから、その都度新しいモノグラフを買っている始末。安いって罪ね。
なぜ使いたくなるのかと言えば、高精度ニードルチップが理由だ。とにかく先端が見やすい。モノグラフライトと双璧を成せるとしたら、同じような先端をしている「ジェットストリームエッジ」くらい。それでもモノグラフライトより短い。
細いペン先を使う場合、先端が見えやすいかどうかは重要なポイントだ。何しろ先端が見えないと細かい字が書けない。
モノグラフライトは、細書きという長所を強化したコスパの良いボールペンなのだ。
名称 | モノグラフライト |
価格 | 220円(税込) |
仕様 | 軸・クリップ:PC樹脂 グリップ:エラストマー 先端具:ABS樹脂 |
本体サイズ | 最大幅14 ✕ 全長144mm |
重要 | 9g |
ペン先の細さ | 0.38mm 0.5mm |
インクの種類 | 超低粘度油性インク |
インク色 | 黒 赤 青 |
ボディカラー | モノカラー シルバー ライトブルー ライム ピンク スモーキーカラー(限定色) |
トンボ鉛筆『モノグラフライト』レビュー
それではさっそく、トンボ鉛筆の「モノグラフライト」についてレビューしていく。かれこれ2年以上使っている愛用品だ。ぜひ参考にして欲しい。
高精度ニードルチップで字が見えやすい
モノグラフライトは、「高精度ニードルチップ」を採用している。言葉にすると難しい機能のようにも感じられるが、ざっくり言うと、先端が長い。
ニードルチップは名前からもわかるように、先端がニードルのように尖っている。書く時に字が見やすいため、細字のボールペンで良く採用されている。近年だと、ジェットストリームエッジやジュースアップなんかが採用して話題になった。
モノグラフライトは、それらのニードルチップより更に長い。5.2mmもある。一般的な三角錐のコーンチップと比べると、更にその長さを実感できる。
モノグラフライトは、細書きに特化したボールペンだ。だからこそ、高精度ニードルチップの恩恵は計り知れない。実際、手帳に小さな字を書いていると「書きやすいなぁ」と感じる。
また、先端が細くて長いと折れないか不安になるが、それも大丈夫。切削加工によってニードル形状にしているため、高い強度まで実現している。筆圧が強い人でも安心だ。
字が見えやすく、書きやすい。
モノグラフライトの高精度ニードルチップは、細書きボールペンにとって最高の機構だ。
握りやすい高密度テクスチャーグリップ
モノグラフライトのグリップは、高密度テクスチャーグリップが採用されている。といってもわかりにくいと思うので簡単に説明すると「独自のテクスチャーを施したグリップ」だ。
以下にグリップの拡大画像を載せておく。
見てくれればわかるように、グリップ表面に独自の加工が施されている。このおかげで、指が全く滑らないのだ。軽い力で握れるから、長時間の筆記でも指が疲れないメリットまである。
また、ラバーグリップだとベタつきそうなイメージがあるが、モノグラフライトに限っては一切ない。適度に隙間があるためか、暑かろうと不快感なく握れる。ドライかつ快適。
2023年8月の夏も一切のベタつきなく乗り切ってくれた。さすがである。
ベタつかないラバーグリップを探している人になら、モノグラフライトはベストな選択しになるだろう。
超低粘度インクで滑らかに書ける
モノグラフライトは超低粘度インクを採用している。低粘度インクと言えばジェットストリームやアクロインキが思い浮かぶが、まさにそれ。
サラサラ具合で言えば、ほとんど変わらない。むしろ三角錐のペン先を採用しているジェットストリームやアクロインキの方が紙への引っかかりを感じる程だ。
しかも油性インクだから耐水性・耐光性の面でも期待できる。長期的に使えて書きやすいのは、流石と言わざるを得ない。
また、どうしても気になってしまうインクの“ボテ”も、モノグラフライトはかなり抑えている。同じ油性インクのジェットストリームやアクロインキと比べても、圧倒的にボテが少ない。
書き始めにインク溜まりみたいなボテができるのが嫌だな……
こんな人でもストレスをほとんど感じずに使える。僕もボテが大嫌いなのだけど、ストレス無く使えたから安心して欲しい。
モノグラフライトは、超低粘度インクを採用しながら油性インクにありがちなボテを解消しているボールペンなのだ。
軽くて疲れない
モノグラフライトはめちゃくちゃ軽い。その重さたるや、なんと9.5g。10円玉が4.5gだから、大体2枚分くらいの重さだ。ちなみに、0.38mmだと8.5gまで軽くなる。凄い。ちなみに公式では9gとなっているが、インクの量で前後する模様。仕方ないね。
多くのボールペンが10g~12gな点から見ると、驚異的な軽さと言っていい。
実際に使うとわかるのだが、羽のように軽いのだ。そのため、筆記時に腕が疲れない。無限に字を書ける気がする。
大体の場合において、低粘度インクを採用しているボールペンは重くなっている。ボールペン本体の自重を利用して、力を入れずに書けるためだ。
だが、モノグラフライトは違う。超低粘度インクでありながら、軽い。つまり、自重に頼らず自分の力だけで書くことになる。「自重を支える力」と「字を書く力」のどちらを重視するかの違いだ。
この辺りになると、もはや書き手の影響が強く出る。筆圧が強いか弱いかで判断すると、使いやすいかどうかがわかるだろう。
例えば僕の場合、筆圧が弱い。だから、ジェットストリームやアクロインキのボールペンを使うと、腕がどうしても疲れてしまう。余計な力が入るからだ。一方で、モノグラフライトはほとんど疲れない。余計な力を必要としないためだ。
気軽に持ち運んで使うボールペンにとって、軽さは大きな強みだ。その点で見ると、モノグラフライトは非常に取り回しの良いボールペンだと言える。
インクは3色
モノグラフライトのインクは3色ある。以下の一般的なカラーだ。
- 黒
- 赤
- 青
どれも一般的に多く利用するインクなので、ラインナップは申し分ない。
ただし注意したいのが、本体とセットで買う場合だ。インクは3色あっても、最初から赤・青が搭載されているのは、「モノカラー」の軸色を採用された本体のみとなっている。モノカラーは以下の画像を参照。
実にMONO。
これ以外にも鮮やかな本体カラーがあって魅力的なんだけど、どれも黒インクしか入っていない。赤や青のインクを使いたいなら、別途リフィルを買う必要がある。
インクを全色揃えたい場合は注意しよう。
ペン先サイズは2種類
モノグラフライトは細書きボールペンだ。以下のペン先サイズがラインナップされている。
- 0.38mm
- 0.5mm
どちらも細書き好きなら納得の細さだ。ジェットストリームエッジの0.28mmほどではないが、手帳に書く程度なら全く問題無く書ける。
0.7mm以上はちょっと苦手という人でも安心して使える太さである。
ただ、複写式の書類には使いにくい。三角錐タイプのペン先で無いから紙を傷つけることはほとんどないけど、力を入れすぎると破れる危険性は常に付きまとう。
面倒だけど、紙質に合わせてボールペンを使い分けるといった方法をオススメする。ボールペンを使い分けると「あ、なんかできる大人っぽい」と無駄に自己評価が上がる効果にも期待できる。なお、ただの勘違いである。
デザインは5種類+α
モノグラフライトは、デザインも豊富だ。以下の定番のベーシックカラーに加えて、スモーキーカラーまで揃っている。以下にラインナップと対応カラー、芯の太さを紹介する。
デザイン | カラー | 芯の太さ | インク |
---|---|---|---|
ベーシックカラー | モノカラー | 0.38mm 0.5mm | 黒 赤 青 |
シルバー | 黒 | ||
ライトブルー | |||
ライム | |||
ピンク | |||
スモーキーカラー | スモーキーホワイト | 0.38mm 0.5mm | 黒 |
スモーキーブルー | |||
スモーキーブラウン | |||
スモーキーピンク | |||
スモーキーパープル |
スモーキーからには他にも2022年の限定色があるものの、2023年9月現在において販売されていない。見かけたら購入不可避だ。
全体を通して、ベーシックカラーのモノカラーが最もインクのバリエーションが多い。黒・赤・青と全てのインクを搭載したモデルがあるのに加え、以下のようにノック部分に違いまである。
モノカラー以外だとリフィルを交換しないと黒以外の色を使えない点には注意。思い切ったラインナップだが、使う色は黒が断トツで多いのを考えると、むしろこの方式はアリ。
中には僕みたいに全色揃える人間もいるのだから、上手い商売である。やるぅ。
多機能ペンもある
モノグラフライトには多機能ペンもある。その名も「モノグラフマルチ」。黒・赤のボールペンにシャーペンとモノ消しゴムが搭載された多機能ペンだ。
高精度ニードルチップは採用していないため通常の三角錐のペン先だが、超低粘度油性インクであるエアータッチインクを搭載しているため、なめらかに筆記できる。
他の多機能ペンと同じくペン上部を回転させて使う芯を選ぶタイプだから、取り回しの良さでは非常に良い。
太さも0.5mmとちょうど良いから、すらすら書ける油性の多機能ペンを探しているのなら、モノグラフマルチがオススメ。インクもしっかり保ってくれるから、ゲルインクみたいに爆速で減らないしね。
ただ、高精度ニードルチップに魅力を感じるのなら、オススメはしない。書きやすさは変わらないんだけど、ペン先の見えやすさではモノグラフライトに軍配が上がる。
色を使い分けるのが面倒かどうかも含めて、購入しよう。
他社のリフィルとも互換性がある
モノグラフライトは、他社のリフィルを使える。もちろん1番良いのはモノグラフライト専用のリフィルだ。公式サイトにも「替芯はトンボ鉛筆純正品をご愛用ください」とバッチリ書いてある。なので、推奨はしない。
しかも他社のリフィルだと高精度ニードルチップもないから、せっかくの良い部分を消してしまう。実に勿体ない。トンボ鉛筆としても自社製品と最も合うように作っているから、無理矢理使ったら壊れてしまう可能性すらある。この辺りは万年筆と一緒。
デメリットを加味した上で試してみたところ、以下のインクと互換性があった。
- ユニボールワン
- ユニボールシグノ
- サラサ
ユニボールとサラサは互換性があった。参考までに、以下にそれぞれのリフィルを比較しておく。
どれも似ているのがわかると思う。一方で、似てはいるものの駄目なものもあった。フリクションとジュースアップだ。どちらもPILOT製品。本体に収納はできるんだけど、ペン先が出ない。
ぶっちゃけこんな面倒くさい使い方をするくらいなら、素直に純正品を買った方が良い。というか純正品を使って。
モノグラフライトは他社のリフィルも使えるが、基本はトンボ鉛筆のリフィルを使うようにしよう。
トンボ鉛筆『モノグラフライト』の気になる点
モノグラフライトはコスパ抜群の油性ボールペンなんだけど、使っていて気になる部分ももちろんある。長く使っているとストレスに直結する部分なので、気になる点も知った上で買って欲しい。
ここからは、気になる点を紹介する。
書いていると音が鳴る
モノグラフライトは、書いているとどうしても音が鳴る。というのも、本体の内部で音が反響しているためだ。
これが地味に気になる。集中して字を書いていると余計な雑音が入るから、気が散るのだ。
ただ、気にならない人は気にならない。僕は全く雑音の無い状態じゃないと集中できないから、気になるだけ。一方で虫や動物など自然環境の音は全く気にならないんだから、人間って不思議。
例えなんだけど、以下の環境でも問題無く集中できるのであれば、ぶっちゃけ音は全く気にならないと思う。
- 喫茶店
- 図書館
- 学校
- 塾
雑音に関しては個人に大きく左右される領域なので、自分がどの環境なら集中できるかに照らし合わせて考えてみて欲しい。
なお、ノック部分もノックされた状態だと固定されないのだけど、こっちはよっぽど本体を揺らさない限り動かないので無視してOK。
書く時に音が鳴るってだけ覚えておこう。
インクの色味が暗い
モノグラフライトのインクは、色味が暗めだ。油性インクである以上仕方ないのだけど、明るい色を期待している人は注意すべし。特に普段ゲルインクのボールペンを愛用している人からすると、めっちゃ暗く感じる色合いだ。
参考までに、モノグラフライトとゲルインクボールペンを比較したのが、以下。
黒はともかくとして、赤色・青色ともに暗めの発色なのがわかると思う。
ただこれはモノグラフライトの問題ではなくて、油性インクだからこそ起こる仕様みたいなもの。試しに、以下に油性ボールペンの名手であるジェットストリームと比較してみる。
同じくらいの色味なのがわかる。
インクの発色が良いと、記憶に残りやすいといったメリットがある。そのため、学生をターゲットにしているジュースアップやユニボールワンなんかは、明るめのインクを採用している。
一方で、油性インクはビジネスの場面で良く使われる。後で書き換えられないメリットなどから、油性インクが最も活躍できる場所だ。この場合、色味よりも長期保存など機能面を求められている形だ。
インクの違いを知った上で状況に合わせて使うのが1番良いんだけど、面倒な人は「とりあえず色が暗め」とだけ覚えておこう。
ただ、赤・青と遠目からでもちゃんとわかるので、困ることはまず無い。
トンボ鉛筆『モノグラフライト』がオススメの人/オススメじゃない人
モノグラフライトは、書きやすい油性インクを採用したボールペンだ。細書きなのもあって、多くの人にとって使いやすいモデルなのは間違いない。
だが、全ての商品がそうであるように、オススメできる人とオススメできない人がいる。
ここからは、2年以上使っているからこそわかる「オススメな人/オススメじゃない人」を紹介する。買おうか迷っている人は、以下を参考にして欲しい。
オススメの人 | オススメじゃない人 |
---|---|
学生 アナログの手帳を良く使う人 油性ボールペンを使いたい人 細い字が好きな人 | 大人っぽいボールペンを使いたい人 学生っぽさから抜け出したい人 ハッキリとした色味のインクが好きな人 細い字が嫌いな人 |
モノグラフライトが想定しているターゲットは、明らかに学生だ。低価格で高性能なボールペンとなると、間違いなく候補に挙がる1本である。だからこそ、学生には手放しでオススメしたい。僕も学生時代にこんなボールペンを使いたかった。
また、細書きに特化しているからこそ、アナログの手帳を使っている人も使いやすい。僕自身、紙の手帳で良く使っている。裏にも滲まないから、非常に使いやすい1本だ。
一方で、デザイン面ではどうしても学生向けの印象が付きまとう。スモーキーカラーなんかは上手く脱却しつつあるのだけど、商談のような大切な場面で使うのは少し難しい。高級ボールペンと比較すると、使う場所を選ぶ。
ゲルインクではないから、発色面でも少し暗く感じる人もいるだろう。よりハッキリとした色のインクを使いたいのであれば、モノグラフライトはオススメしない。
以上を参考に、購入するかどうかを決めてくれると幸いだ。
トンボ鉛筆『モノグラフライト』はコスパ抜群の使いやすいボールペン
トンボ鉛筆のモノグラフライトは、取り回しの良い書きやすい油性ボールペンだ。それでいて200円(税別)なんだから、コスパの面でもバグっている。どう考えても買いな商品なのは間違いない。
先端が見やすい高精度ニードルチップは細書きと相性が良く、手帳はもちろん履歴書など細かい字が必要とされる場面で重宝する。特に学生にオススメだ。
使っていて気になる部分もほとんどないから、書きやすい細字のボールペンを探している方は、ぜひ1度手に取ってみてくれ。きっと満足できるだろう。